職場でも、学校でも、私たちの身の回りには何となく気が合わない人、中には生理的に好きになれない人がいるものですね。それだけなら親しく付き合わなければすみますが、その人が会社の上司であったり、大事な取引先であったらどうしますか。コミュニケーションをとらないわけにはいきませんね。こちらが嫌いな人は相手もこちらを嫌いなことが多いので、出世にも影響し、時には退職に追い込まれることだってないとは限りません。
では、同じ人間なのになぜ好き嫌いが生まれるのでしょうか。原因は育った家庭環境や受けた教育、価値観の違いなどもありますが、人それぞれ持っている気の違いというものが大きく影響すると考えられます。「気が合わない」とは「気の質が合わない」ことを意味するからです。
では、「気を合わせてコミュニケーション上手になる」にはどうしたらいいのでしょうか。
よく「私はコミュニケーションが下手だ」とか「人の好き嫌いが激しい」という人がいますが、そういう人はまず児童公園に行ってみてください。子供たちが公園の砂場で楽しそうに砂遊びをしていると、そこへその公園は初めてという子がやってきます。と思ったらもう一緒に仲良く砂遊びをしていますね。これでも分かるようにコミュニケーション能力は人間が集団生活を営む上で欠かせないものですから、誰でも生まれながらに身につけているのです。ですが、大人になると相手によって好き嫌いが生じるのですね。何故でしょう。
それは、大人になると我執が出てくるからです。人は我執を放すとストレスから開放され、体の気の流れがスムーズになります。しかも元気に遊ぶ子供たちは健康で陽気に溢れていますから、初めて会った子にも自分と同質の陽気を感じ、すぐに仲良くなってコミュニケーションがとれるのですね。人間関係というのは面白いもので、嫌いだと思う相手は向こうも同じように思っているものです。何となく気が合わない人は気の質の違いによるものですから、そんな相手とコミュニケーションをとるには、心身の気の流れを活発にして陽気な人間になることです。
人は誰でも心と体が健康になると心身の気の流れが活発になり、陰気が陽気に変わります。そして、陽気が満ちてくると体だけでなく、顔の表情まで明るくなり、我執もなくなるので相手も心を開き、コミュニケーションがスムーズに行えるのです。人はまた陽気が充実してくると何事にも前向きになり、相手にも好感を与えるから運にも恵まれ、仕事も順調に進むのですね。
では、どうしたら気の流れを活発にして陽気になることができるのでしょうか。 日本道観では、まず体の中の滞りを取る方法「導引術」を学んでいただくことにより、体から明るい自然な気の流れを体感していただきます。体が健康になると考え方も自然に明るくなってくるのですね。
そして、健康武術である「動功術」もあわせて行うと、さらに気の流れを活発にすることができます。「動功術」では、いろいろな人と組んで稽古をしていくうちに、相手の気を感じながら技をかけたり受けたりすることができるようになりますので、人との間合いが上手に取れるようになりコミュニケーションがうまくできるようになったといううれしいお話も沢山うかがいます。
さらに、「導引術」 「動功術」とあわせて「洗心術」で我執を放しましょう。我執を放すと、人を拒絶していた心の壁が取れて気のめぐりがよくなりますから、これまで苦手だった人とも素直に向き合えるようになります。
皆さんも、「導引術」 「動功術」 「洗心術」で、心と体の両面から気の流れを活発にして、子供の頃の陽気な心とコミュニケーション力をとり戻しましょう。そして、誰とでも楽しく付き合えるコミュニケーションの達人になりませんか。