さあ、天来大先生に伺ってみましょう。
道家入門シリーズ1. 『心の悩みをとる洗心術』より〜〜
現代人が文明の発達とともに背負わされてきた物、
その重荷を下ろすには、難しいことは無い。
赤ちゃんの無欲を見習えばいいんだ。
人間は誰でも生まれた時は無欲である。 赤ちゃんを見ればいい。
赤ちゃんは新しい玩具に興味を持つと、今まで遊んでいた玩具はポイと捨ててしまう。
執着がないからだ。
ところが人間は長ずるにしたがって欲が出る。 放すことを忘れて、
何もかも自分のものにしようとする。 その重みで自分自身を苦しくしているのである。
人間が執着するのは物だけではない。 義理とか、人情とか、社会慣習とか、
いろいろなしがらみに縛られて、苦しんでいる人がいかに多いことか。
これも我執(自分の考えや思いにとらわれること)である。 そのために苦しむなら放せばいい。
ぽいっと放せばいいんだ。
赤ちゃんのように。
そうですね。
たしかに赤ちゃんは、あきればすぐぽいっと手から放してしまいます。
ところが大人になると、次に気に入ったものが見つかっても手放せない。
これも、あれもと抱え込んでしまうのですね。
だから苦しい。
どちらかをちょっとそこに置くだけで、ずっと心は気楽になるはずですね。
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