晴れの日があれば、雨の日もあります。「天の気」つまり「天気」にも表情の違いや、変化があるように、人間の持つ気も常に変化しています。
朝起きて、体がだるくて眠気が取れないような日と、すっきりと目覚めて「よし、今日一日がんばるぞ!」と思える日があるでしょう。
これは、体の中の気の量の増減によるもので、気が満ちていれば、腹の底から元気ややる気がねいて、「何となくツイてる感じ」を体感できます。
そんな日は、難しい仕事に挑戦する日だと思ってください。なぜなら気が体中にみなぎっているときは、いつもの自分より数段大きな力を発揮できるからです。
保険のセールスをしているA子さんはその朝、化粧をしながら、「あれ、なんだか今日はいつもより顔が明るく見えるな」と思いました。口紅の色を変えたわけでもないのに、なぜかそう感じるのです。A子さんは意識していませんでしたが、その日は彼女の気が充実した日だったのですね。
出社したA子さんの顔を見て、上司も「おや、いい顔してるね。なにかいいことあったの?」と声をかけてきました。
自分でも「そうかな」と思っていたことを他人からも言われたA子さんは、気持ちがウキウキして、「今日は吉田さんのところに行って、もう一度保険の見直しについてお願いしてみようかな」と考えたのです。吉田さんは何度足を運んでもこちらの提案に耳を貸してくださらないお客様で、なかばあきらめかけていた相手でした。
そして結果は……ラッキーでした。
それまでは「そんなもん、いらん」の一点張りだった吉田さんが、「そんなに言うのなら、資料を見ておく。わからないことがあったら、すぐに電話するから、説明に来い」と言ってくれたのです。即時契約というわけにはいきませんでしたが、驚くほど大きな前進でした。
これはA子さんが漠然と感じたツキを信じて、一歩踏みだしたからこそ、つかめた成果です。
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