●はじめに
ようこそ、「気」の世界へ。
これから私は、本書を通じて、読者のみなさまに「元気」な「気」を贈りたいと存じます。
あなたは、書名の「気」の文字に「気」をそそられて、この本を手に取り、そして読んでみようかなあ、という「気持ち」になられたのではないでしょうか。
そのように強く引きつけて、行動に踏み切らせたもの、それこそが「気のパワー」にほかならないのです。
中国五千年の思想を貫くキーワードといえば、「道」(タオ)が頭に浮かぶ方が多いことでしょう。「気」はその「道」と並んで、今、世界で大きな注目を浴びている、とても古くて、そしてとても新しい存在です。
「気」はまた、私たちにおなじみの、「漢方」に代表される東洋医学の根幹をもなしています。
それは古来、日本人の生き方、考え方、ものの見方にも、限りなく大きな影響をもたらしてきました。
あなたは、なにげ(何気)なく、こんな言葉を口にされていませんか。
「ここは気分がいいわ」とか、「おかげで、気が楽になりました」とか、「どうぞ、お気をつけて」とか、「いやあ、気に入ったよ」などです。
これらは私たちが、毎日の生活のなかでよく使っている表現です。
そのように「気」は、日本人の人生とぴったりくっついて、「気性」や「気質」までも形づくってきたのです。
こうして「気宇壮大」な人をはじめとして、「気骨」ある人や、「気概」のある人、そして「気丈」な人、「気迫」に満ちた人、「気力」の溢れた人、さらにまた「気品」のある人たちが登場してきました。「気」に彩られて、ほんとうにたくさんの人物が、日本の歴史の中で燦然と輝きを放ってきたのです。
「気韻生動」という言葉をあなたは目にされたことがあると思います。とても格調高い言葉ですね。この言葉のように、「気高い」、しかも「生気」に満ちて躍動する、素晴らしい絵画や文学などの芸術作品も、次々と生まれてきました。
また最近は「気功」などによって、「気」の力が現実に存在するということが科学的に証明され、世界的に認められるようになりました。
この「気」とは、目で見ることもできず、耳で聞くこともできず、手でつかむこともできない、透明なものですが、私たちがそれを正しく理解し、そして活用することができれば、私たちの心と体を実際に健康にして、幸運な人生に導いてくれます。ところが、「気」を無視して、「気」を損なったり、「気」の流れを歪めたりすると、その逆に、自らを不運に追いやってしまいます。
私たちの「気」には、想像を絶するほどの、多様にして、強大で、無比の力、まさしく「超パワー」が潜んでいて、絶えず大きな働きを続けているのです。
この本は、「気」の秘密を解き明かしていきながら、あなたが置かれている現代のさまざまな状況の中で、いったいどのようにすれば、その「気」の超パワーを最大限に生かして、明るい、充実した人生を送ることができるか、ということを解説していくものです。
本書を最後まで「気分よく」読み終えていただけたら、今日からの毎日を「元気よく」「やる気」に満ちて過ごしていただけることでしょう。
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