われわれは、ふだん何気なく「元気です」と言っているが、元気とはどういう
状態をいうのだろうか。
“元気”とは、もともと中国の導引医学から出てきた言葉で、「元の気をそこなわないでいる」状態である。心身ともに精気が満ち満ちている状態である。
「あの人は若いね」と言えば、実際の年齢にくらべて元気に満ちあふれていることを指すが、「元の気をそこなわないでいる」のだから、「若さがいっぱい」と言い換えることもできる。
わかりやすい例が、赤ん坊や幼児である。赤ん坊や幼い子どもたちの動きを観察してみると、運動の量が多く、疲れない。成長期の間はこの元気が続くが、成長期が終わると、だんだん元気がなくなってくる。
言うまでもなく、老化現象がだんだん始まって、元の気をそこなうようになるからだ。
「年をとれば仕方がない」とふつうは思われている。しかし、赤ん坊や幼児のころの元の気を、青年期も中年期も、あるいは老年期になってからも維持することは可能である。一度元の気をそこなっても、それを回復することは可能なのだ。
それは、「気の医学」だけにできることである。
なぜ、そのようなことが可能になるのか、疲労の問題について考えてみよう。西洋医学では、「疲れるというのは、肉体の疲れが、体内に蓄積することだ」と説明する。肉体を動かすのに必要なエネルギーは、血液によって全身に供給され、そこで生じた老廃物(疲労素)は、ふたたび血液にもどされて排泄される。その排泄がうまくいかなくなると、だんだんに疲労がとれなくなる。
「気の健康術」では、これを筋肉や関節に汚れた血がとどこおっている状態と考えている。つまり、疲労しやすいということは、疲労素を含んだ汚れた血が体の中にたまりやすいということと考えているわけだ。
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