この本は、無為自然に生きた現代のタオイスト
早島天來からあなたへ贈る魂のメッセージです。
人生に疲れたり、悩んで立ち止まってしまったときに
あなたの目の前にある”明るい世界”への扉を
きっと開いてくれるでしょう。
さあ、この本を読み終わって、みなさんどんな感想をお持ちになったでしょうか。「なんだかすっきりした、元気になった」、そんな感想をもっていただけたら、とても嬉しいです。
この本に収録しているのは、タイトルにTaoist Sayingとあるように、タオイストの言葉です。タオイストとは、宇宙の原理原則TAO(タオ)に添って、水が上から下へさらさらと流れるように、無為自然に生きる人たちのことです。
紀元前の中国の人たちは、この世に生まれた人間が、より楽しく幸せに生きる方法について真剣に考えました。
天体を観測し、自然から学び、また人間を取り囲む環境や人体そのもの、その人のたどる運命などをじっと観察し研究してゆくなかで、人間がどんなに頑張っても決して手を加えることのできない、宇宙の絶対法則があることを発見したのです。そしてその法則に「道」TAOという名をつけました。
彼らは、TAOに添って生きてゆけば、誰もが幸せに健康に楽しく生きられるということに気づいたのです。この「道」TAOに添って生きるという考え方、つまりタオイズムによって、日々を天地自然の流れに調和して、無為自然に生きることを実践した人たちこそが、タオイストなのです。
最近よく目にする、あの『老子(ろうし)』や『荘子(そうじ)』も、タオイストの書いたタオイズムの哲学書なのです。
この本の真の著者、早島天來(はやしまてんらい)は、現代のタオイストでした。日本で唯一の、一般の人がTAOを学べる学校「道家道学院」を設立した初代学長です。一生をかけて気の修練を積み、誰よりも優しく、厳しく、そして深い、すばらしい指導者でした。
私たちは早島天來のことを敬意をもって「大先生(おおせんせい)」と呼んでいます。かつて、道学院でのタオイズムの対話を行う「洗心術(せんしんじゅつ)」の場では、どんな小さな悩みでも、それを抱えて苦しんでいる私たちに真剣に向き合い、率直な飾らない言葉で、私たちの悩みや我執をきれいに吹き消してくださったのです。それはまるで、魔法のようでした。
この本に書かれているのは、その数知れない「洗心術」の場で語られた早島天來大先生の珠玉の言葉の一部です。
一九九九年に登仙(とうせん)された天來大先生ですが、三・一一の東日本大震災、そして日本もテロの標的となりうる時代に突入し、今こそ早島天來のTAOの言葉が、幸せな明日を迎えたいと願う多くの人々に必要とされることを感じます。
そこで、そのTAOの言葉を、自然の写真と組み合わせることによって、そのひと言のもつ優しく雄大なイメージとともに、皆さんにお届けしたいと思ってつくられたのが、この本なのです。
「君たちはみな、幸せに生きられるように、この世に産み出されたのだよ。もっと笑って、朗(ほが)らかに生きていきなさい」
そうやさしく語る天來大先生の笑顔が、今でも目に浮かびます。さまざまな悩みや苦しみに対して、「だいじょうぶだよ」とすべて受けいれられたときの、天地自然に抱かれたような、心から安心した気持ちを思い出して、それぞれの言葉に解説をつけさせていただきました。
この本を開くことで、皆さんの心が日々の悩みから解放され、晴れやかな一日を迎えられるように祈りつつ、心をこめてお贈りします。
二〇一五年五月吉日
早島妙聴
※バナーをクリックして開閉できます