どうすれば「気」の流れがよくなるか

「気 血の流れ」が活発であれば、人間は病気にもかからないし、老化もしない。西洋医学流にいえば、体に疲労素がたまらない、つまり、つねに 元気でいられる。

  人間の体は、本来、自然に邪気を体の外に排泄できる機能をもっている。

肺呼吸、皮膚呼吸、汗、大小便などは、その排泄作用を行っている。しかし、体の機能 が衰えると、この排泄作用がうまくいかなくなり、邪気が筋肉や関節など、体の中に蓄積するようになってくる。こうなると、疲れやすい、疲れがとれないとい う状態におちいってしまう。

「気の健康術」では、呼吸と同調させながら、筋肉や関節にたまった邪気を排出する。衰えてしまった排泄の働きを促進 し、衰える前の体の状態に戻すのである。その効果は、早い人なら、やったその場で自覚できる。邪気は肺や皮膚の呼気、汗、大小便となって体の中か ら出てくる。

導引術による治療は、「気」を使って、即、若返ることである。

現代医学では、老化した体を若返らせる方法はない。老化によって体の具合が悪くなった場合の治療は、しばらくの間、薬で症状を和らげるか、 病気の進行を遅らせるだけである。

たとえば、高血圧症に対しても、薬を飲んでいる間だけは血圧を下げることができるが、薬をやめれば、また血圧は上がってしまう。導引術の場合には、体を本 来もっている自然治癒力で、体を病気にかかる前の正常な状態に戻すのである。つまり、体を若返らせることによって、自然治癒力を活発にし、病気を 治してし まうわけである。

導引の医学の立場から考えれば、老化も病気も自然治癒力の衰えを意味している。自然治癒力を盛んにすれば、老化も病気も同じように治る。導引の医学では、病気治療ということは、病気になる以前の体の状態に戻すことであり、若返りと全く同じことなのである。

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