人間関係で気をすり減らさないコツ

自分のまわりがすべていい人で、楽しくおつきあいできる……それは理想ですが、世の中はそううまくはいきません。
たとえば、引っ越し先の住人が無愛想で感じが悪いとか、職場の上司が無責任で尊敬できないとか、友人の非常識な行動に迷惑するとか、思いどおりにいかないことがたくさんあって気が滅入るでしょう。
しかし、自分の努力だけではどうにもならないこともたくさんあって、どうすればいいのか解決の糸口が見えない場合も多いものです。
いろいろ気に病(や)む状態が続くと自分の気力が衰えます。だんだん元気が失われていく危険もありますから、なるべく早く対処しなくてはなりません。
ここで大事なのは、なにか自分にできることはないかを見極めることです。
そして、問題のある相手との関係を良くする方法をいくつか試してみます。
いつも笑顔で話しかける、相手を理解するように努める、相手の長所をさがして評価するなど、できることをできるだけ実行してみてそれでも関係の改善ができないようなら、それなりの対処に切り替えるほうがいいでしょう。
良くなる気配がないのに努力を続けるのは、自分の気を無駄使いしていることにほかなりません。
そこで、考え方を変えて「どうにもならないことは、とりあえずそのままにしておこう」と放置するのです。
これは「放りだす」ではなく「そのままにしておく」ですから、また修復に手をつけようと思えばいつでもできます。
次に、いやなことを考えるより、もっと大事なことを考えるのに自分の気力を費やすのです。自分が嫌いな人や不愉快なことのために心や時間を占領されるのは、あまりにももったいない話です。
そんな時間があれば、自分を磨くことを考えるほうが何十倍も有益です。
悩んでいるときには、悪い状況が永遠に続くように思えます。でも、折りあいの悪いご近所の人は転勤で移転するかもしれませんし、いやな上司は配属が変わって別の部署で働くようになるかもしれません。
悩みに固執(こしつ)しているあいだは、気が滞って視野も狭くなっているものです。そんなときこそ気を大きく持って、「自分をセルフコントロールするいいチャンス」だと考えてみましょう。

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